ブラジルからなぜ鈴鹿へ?―ジエイゴの内面の変化

2019.05.31 Friday 09:50
心は何によって満たされるのだろう? 満ち足りて生きることは出来ないだろうか?
そこを本当に知りたいと思い、はるばるブラジルから日本にやってきた若者がいる。ジエイゴ、30歳。2017年3月に鈴鹿コミュニティに留学生として来日し、現在はサイエンズアカデミーで学んでいる。彼にその経緯を聞いた。日本に来た頃は日本語もままならなかったが、今では、その心の内をオープンにしてくれた。彼の心がどんなふうに開いていったか、笑いが飛び交うインタビューになった。(聞き手:アズワンネットワーク活動事務局・IWATA)


ブロッコリー畑でジエイゴ


◆有機農業をきっかけに

――鈴鹿に来る前はブラジルで何をしてたの?

ジエイゴ サンパウロ大学で農業を学び、卒業後は有機農業のNPOで活動していた。農業指導をやったりイベントをやったり。
だけど、NPOでは俺の言ってることを聞いてもらえなかった。上手に話せる人の意見が通った。有機農業の指導も、農家には農家のやり方があったけど、俺はそこに行って「それは間違ってる!」と言って指導していた。

有機農業を学びたいと思って行ったのが、サンパウロにある有機農業の共同体だった。今のアズワンネットワーク・ブラジル・コミュニティ。そこで時々、サイエンズスクールのコースに参加したり、子どもキャンプのスタッフをやった。一週間過ごしたら、心がすごい満たされた。NPOでは満たされなかったから、どうやったら普段の暮らしで満たされるんだろう、自分の人生でそんなふうに満たされないだろうか。どうしていったらいいんだろうって思ってた。

――農業をやろうとしたのは何で?

ジエイゴ 大学のとき、ブラジルの貧困や差別をなくそうと思ってた。農業で社会をよくしたかった。
有機農業を勉強していくと、今の大学で学んでいることがおかしいと思い始めた。大学は会社のための人材を育てている。化学肥料を使う農業の勉強をする大学だったから大学の仲間はそっちの会社に就職した。農薬の会社は、農業をよくしたいわけではなく、農薬を売りたいのだと思う。大学を無償化して、学生は会社に入って農薬を売る仕事に就く。そんな流れがあった。

――有機農業に興味をもったのは何で?
- | comments (0) | -

1/1